波里通信 第5号

1996年8月発行

-目次-
・年中行事の中の和菓子とその行事との歴史(第5回) 顧問 故 谷岡 美雄
 9月・10月
・図書紹介コーナー
 「現代食べ物事情」  著) 山本 博史 発行)岩波書店
・Let'sCooking
 「お好みもち」
・食べ物の雑学
 大豆について

年中行事の中の和菓子とその行事との歴史(第5回)

 顧問 故 谷岡 美雄

九月 ― 月見だんご ―
 今年九月九日は十五夜で、且つ重陽の節句です。十五夜を芋名月とも言います。日本の芋は山芋と里芋があり、甘藷、馬鈴薯は近々の産物です。月を愛でるに小芋の粒ぞろいをゆで三宝に積んで供えるため、芋名月といいます。ですが、我が家では米の粉と葛で作ったしんこだんごを供えました。女房の生まれは徳島で小麦粉で丸いだんごを作り、これをゆでて作ります。お月様は何でも丸ければよいのではないのでしょうか。しかし、お下がりを待つ子供にとってはしんこの方が甘くて楽しみです。


十月 ― でっち羊羹 ― 
 こし餡に粳米の粉と砂糖、水を加え栗を入れて竹の皮に包み1時間以上蒸した羊羹を、でっち羊羹といいます。練り羊羹が上菓子であるのに対し、蒸し羊羹は駄菓子です。故に丁稚(小僧)羊羹と言いやすい駄菓子ですが、栗が入ることによりおいしいお菓子です。
 昔は米よりも砂糖のほうが高価であったので、蒸し羊羹はあまり甘くありません。しかし、竹の皮の制菌力のため低糖でも腐敗が抑えられます。先人の知恵を感じるお菓子です。

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図書紹介「現代食べ物事情」

著) 山本 博史 発行)岩波書店

 戦後50年我々日本人の暮らしは大きな変貌を遂げました。「衣・食・住」の中でも食の分野においては、最も大きな変化がもたらされたといえるでしょう。農林水産省が毎年公表している『食糧需給表』を見ても、過去30余年にわたり「食糧自給率」が低下の一途を辿っていることは間違いのない事実であり、1993年に至っては熱量換算にして、概算で37%にまで下がっています。この数字から単純に考えると、今現在何らかの影響で輸入食品がすべてストップしたとしたら、日本の総人口の約2/3が飢えるということになります。この食糧自給率という数字の低下の背景には、一体何が潜んでいるのでしょうか。
 本文の中に、ここ20年の専業主婦の1日あたりの炊事時間が20分近くも減少している事実が紹介されていますが、この一点だけを捉えても数多くの事を物語っています。主婦の就業率が上がる事により、加工食品や外食の利用頻度が増加し、この為「食」の企業化に拍車がかかります。企業サイドでは、より安い原料を求めて海外に行く、という図式です。しかし、ここで忘れてはならないのが安全性という点です。簡便で見せかけだけの食品を作るために多用されている食品添加物について、これを使用させているのは本質的には消費者自身であることを認識し、我々ももっと多くの知見を得る必要があるように思います。
 食品とは、本来その民族各々の文化に根ざしているべき物であり、その嗜好性及び安全性という局面から考えると、生産者の顔が消費者に確認できる所で作られるのが理想の姿であると思いますが、残念ながらその採算性の点から食糧自給率低下を余儀なくされているのが現状です。
飽食の時代、我々日本人の「豊かな社会」は、裏側を覗けば種々の国の様々な人々の生活や環境をも犠牲にしている事を憂い、弾けたバブルの飛沫は我々個々の生活の中で、今だうごめいている事を確信しました。作家の野坂昭如氏が何かの対談で、「農産物に生産性を求める経済原理を持込んだ時点で、日本の農業はヤワになった。」と語っていましたが、この言葉が脳裏に焼き付いて離れません。

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レシピ「お好みもち」

材料(4人分)
白玉粉 80g・水 60~65ml・上新粉 100g・水 80ml
塩 1g・大根 200g・大葉 3枚・しらす干し 100g・なめこ 30g

作り方
1. 白玉粉、上新粉にそれぞれの分量の水を加えよく練り、この2つの生地と塩を合わせ、よく混合するように練ります。
2. 水で濡らした皿の上にラップを敷き、ピンポン玉大に分けたもちを、ハンバーグを作る要領で平らに皿の上にのせ、霧吹きで十分湿らせラップをかけて電子レンジで5分加熱します。
3. (2)でできたもののラップを取り、水を張ったボールに入れかえ、それを薄く(2~3mm)のばしていきます。
4. フライパンに油をしき、両面焼き色がつくまでこんがりと焼きます。
5. 具の大根はせん切りにし、歯ざわりをよくするために冷水につけておきます。大根もせん切りにし、なめこはさっとゆで、水気を切ります。
6. 焼き上がった生地の上に大根、しらす干し、なめこ、大葉をのせてトッピングをし出来上がりです。

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食べ物の雑学5

◆大豆について◆
 日本人が食する豆にはいろいろありますが、豆の中でも特にダイズは栄養価が高く「畑の肉」ともいわれ、日本人の食生活には欠くことのできないたんぱく源です。そのダイズ製品には豆腐、きな粉、味噌、醤油、納豆などの日本の食生活を支える多くの食品に欠かせない素材になっています。
 ダイズの栄養については、タンパク質が100グラム中に35~40グラム含まれています。同じく多く含まれるといわれる肉や魚でも100グラム中約18グラムしか入っていないのですから、いかにダイズがタンパク質を多量に含むかがわかります。それから、ダイズに含まれるリノール酸、リノレン酸は血管にコレステロールが沈着するのを防ぎ、ダイズサポニンと共に血管の掃除役を果たします。
夏といえば冷えたビール、ビールの友に枝豆があれば言うことなしですね。枝豆は、大豆がまだ熟して固くならないうちに収穫されたもので、ビールとのウマが合います。枝豆には、ビタミンB2、Cなどが多く、それによりアルコールの酸化を促して効率よく分解し、酸性飲料のビールをアルカリ食品の枝豆が中和してくれるようです。夏バテしないように気をつけましょう。

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